グローバル人材という言葉を聞いて何を思い浮かべますか。

「英語ができる人」を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。受験や留学、またその先にはますます多様化する企業での就職においても、日本社会での英語の必要性は更に高まっています。今後の社会で活躍するためには英語を身につけることは重要であり、英語ができるに越したことはありません。

しかし、単に英語ができるだけでは活躍できる存在にはなれません。

英語を理解していても、いざ英語を使用するときに会話力に欠けていたり、話している内容に中身がなければその先に進むことはできないからです。

また、現在の社会は今まで以上に先行きが不透明で複雑性が増していると言われています。不確実性が高い社会を表すために活用されるVUCA(ブーカ)とは?今回の記事ではVUCA時代で求められるリーダーシップや力について共有したいと思います。

VUCA(発音:ブーカ)とは?

VUCAという言葉をみたことはありますか?

VUCAとは、目まぐるしく物事が変化し続ける時代を表すために活用される言葉です。VUCAはVolatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字をとっています。VUCAの現代の環境では、今までとは異なる能力が必要とされています。グローバル人材の育成と活用に取り組んでいる産業界でも、世界を舞台に活躍する人材に求める知識・能力に対する意識の変化がすでに見受けられます。

VUCA時代で求められるリーダーの力:

物事の変化が早く、変化が早いため不確実性も高く、様々な要因が絡み合っている複雑な社会の中では、ビジネス界で求められる力は変化しています。今までも曖昧な人物像として活用されてきたグローバル人材というキーワードにも求められる要因の変化が起きています。

経団連が2015年3月17日に発表した企業調査で、グローバル人材に求められる素質・能力という項目では「英語をはじめ外国語によるコミュニケーション能力」が前回調査(2011年)よりひとつランクを下げ、3番目に入ってきています。

群を抜いて一番求められる素質・能力として挙げられたのは「海外との社会・文化、価値観の差に興味・感心をもち、柔軟に対応する姿勢」、それに続き2番目に挙げられたのは「既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続ける」でした。

また、産業界が大学卒業時に学生が身につけていることを期待する素質、能力、知識では「主体性」、「コミュニケーション能力」が他の項目を大きく離し、「外国語能力」は下位にとどまる結果となりました。上記にも述べた通り、単に英語をツールとして活用できるのではなく、内容や伝え方を含めたコミュニケーション能力が求められていることが感じ取れます。

さらにそのようなグローバル人材の育成に向けて初等中等教育で取り組むべき施策としては産業界が注目しているのは「グループワーク等を通じた児童・生徒のコミュニケーション能力、発信力の向上」が1番となり、多数いる中でも自分の考えや意見を発信できることを早い段階から基礎として身につける必要性を感じていることが伺えます。

上記の企業調査でわかるように、VUCAな時代で物事が変わり続けることが常識の中では、それらに柔軟に対応する姿勢が大切にされることがわかります。ただ、変わり続ける時代に反応しているだけでは成果を出すことは難しいため、自ら主体性を持ってチャレンジし続けることが求められていることが伺えます。

また、曖昧で複雑性の高い時代を乗り越えるためにはよりたくさんのアイデアや視点をもとに決断をしていく必要があります。そのため、周りの意見を汲み取るコミュニケーション能力や自らの意見をまとめて伝える発信力の向上が必要となります。

VUCA時代で求められる教育

VUCA時代でも自分らしく活躍し続けられる人たちを育てるためには、下記の2点が重要ではないでしょうか。

1、答えのない問いに挑戦すること

2、成長し続けること

1、答えのない問いに挑戦すること

不透明性が高い世の中では今までのように決められた答えを探す能力よりも答えが一つとは限らない課題に挑戦する力が求められます。

学校を卒業して社会で活躍している多くの方がすでに感じていると思いますが、社会に出てから取り組んでいる課題は学校での授業とは異なり「正解」「不正解」が明確ではないことが多いです。または「正解」が一つとは限らなかったり、同じような課題でも状況によって「正解」が異なってしまいます。

そもそも、課題自体を自ら探さなくてはいけないこともあります。答えのない問いに挑戦するためにもデザイン思考などの様々な問題解決のフレームワークやツールを活用して取り組んでいくことが必要です。社会でも活用されているツールが教育業界でもどんどん広まっており、デザイン思考の一例をとってもスタンフォード大学やハーバード大学などの世界でも有名大学に限らず、世界中の学校に広まっていることが見受けられます。デザイン思考に関してもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください(デザイン思考とは?初心者でもわかりやすくまとめたデザイン思考のプロセスとマインドセット)。

2、成長し続けること

不確実性が高まる現代社会では一つのスキルを習得すれば安泰という世界ではありません。常に新しいスキルを身につけることが求められ、業界などに限らず活躍し続けるには成長し続けることが必要です。社会人になってから「学生時代にもっと勉強をしておけばよかった」または「やっと勉強の楽しさがわかってきた」などと感じている方も多いのでしょうか。

「成長し続けること」はまだ自分にはできていないことにも挑戦しつづけることが求められます。

成長しつづける人が共通して持っている考え方・姿勢として注目を受けているのが「成長型マインドセット(グロース・マインドセット)」という考え方です。グロース・マインドセットとは「能力は努力や方法によって変えられる」という考えであり、人が成長しつづけるためには必要な根底的な考え方です。

例えば、失敗した際にも「才能がないから諦めよう」ではなく「まだ練習や工夫が足りないんだ。次はどうすればいいのか」などと自らの成長や次の挑戦に向けて切り替えができる方はグロース・マインドセットの傾向があると言われます。

スタンフォード大学の教授の研究に基づいているグロースマインドセットは現在、世界中で多くの教育機関やマイクロソフト等の有名企業でも活用されています。より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください(グロースマインドセットとは?誰でも取得できる成長し続ける人の共通点)。

失敗を重ねながらも成長しつづける力はVUCA時代では特に必要な力の一つとなります。

今回の記事ではVUCA時代に必要とされるスキルを紹介してきました。ぜひ皆さんも変わりゆく世の中を楽しみながら成長する工夫を行っていきましょう。

 

参考資料:

2015年経団連調査

https://www.keidanren.or.jp/policy/2015/028_honbun.pdf

2011年経団連調査

https://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/005/honbun.pdf