今回のブログでは言葉がもつ力について少し紹介したいと思います。
ニュースのタイトルに並ぶ悲惨な言葉を見て朝から気が滅入ってしまったり、元気溢れる広告の言葉を見てワクワクしたり、私たちは普段触れている言葉に常に影響されています。
言葉の影響は心理的な面に留まらず身体的な行動にも及んでいる可能性があります。
何気ない言葉が行動に与える影響
では、言葉は私たちにどのような影響を与えているのか。
ニューヨーク大学のバルフ教授が行なった実験を通して見ていきましょう。バルフ教授の研究では被験者にバラバラの言葉を使って短い文章を作る作業に取り組んでもらいました。
一つのグループには老人を連想させるような言葉(孤独、引退、杖等)を入れ、他のグループには老人を連想させる言葉は入っていない言葉で作業を行いました。
文章作りのタスクの終了後、被験者に別の作業を行うために廊下を歩いてもらいました。その際に被験者の歩くスピードを測ったところ、老人を連想させる言葉で作業を行なったグループは他の人たちに比べて歩くスピードが遅かったことが観察されました。
被験者は自分たちが触れた言葉から連想された「老人」というイメージを行動で体現していた。この実験を通して、私たちの行動は言葉から得たイメージに影響されている可能性があることが見受けられます。
日常的に触れている言葉や自分が使っている言葉によって自らの行動が無意識の中で影響を受けているかもしれません。

言葉で前向きな姿勢を育む!「楽観主義は意志のもの」
小さな変化かもしれませんが、普段自分が使っている言葉に注意を向けて、より前向きな言葉使いを試して見ませんか。
哲学者のアランが「幸福論」でも述べているように「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」。
悲惨なニュースや悲しい出来事や言葉を聞くだけで人は簡単にネガティブな感情へと流されてしまいます。
そのような状況が溢れる日常でも前向きに物事を捉えるためには、楽観であり続ける意志が求められます。その前向きな姿勢を育むためにも普段活用している言葉を変えていくことが最初の一歩になるかもしれません。
[参考資料]
Bargh, J. A., Chen, M. & Burrows, L. Automaticity of social behavior: direct effects of trait construct and stereotype-activation on action. J. Pers. Soc. Psychol. 71, 230–44 (1996)
「幸福論」アラン
Next Education Awardという教育者を表彰するアワードを設立しました。
第一回目となるアワードに関する詳細を知りたい方は下記をご覧ください。