「あなたにとって大事なことは何ですか?それはなぜですか?」

“What matters to you and why?”

「あなたは何に幸福を感じますか?」

“What makes you happy?”

上記の質問を聞かれてあなたはすぐに答えられますか?

とてもシンプルな質問でありながらも、考えれば考えるほど深く掘り下げることができ、人によって答えが大きく異なるのではないでしょうか。

実はこれらの質問は米国の大学入試で実際に出された小論文の課題です。最初の質問はスタンフォード大学、二番目の質問はタフツ大学で出されました。

今回の記事では、海外大学入試で求められる小論文に焦点を当て、大切なポイントを紹介していきます。

もくじ
1: 海外大学進学の小論文/エッセイとは?
2: 小論文/エッセイのキーポイント:メッセージが明確、ストーリーがわかりやすい
3: 入試の小論文/エッセイの目的:その人らしさが見えてくる
4: 自分らしさとは?:WHO ARE YOUという質問

1. 海外大学進学の小論文/エッセイとは?

小論文と聞いて、テストの時間内に書き上げる文章を想像する方も多いのではないでしょうか。

海外大学進学の中でも特に米国では書類選考の中に小論文が含まれている場合が多く、大学によっては独自のお題を用意しているところも多く存在します。

この小論文はテストのような短い時間の中で書き上げるのではなく、受験者が数ヶ月の時間をかけながら何度も書き直しをして提出するものです。

多くの大学では、複数の課題を用意しており、その中から受験者が課題を選んで書類選考の際に提出します。大学によって異なりますが、米国の多くの大学が9月までに独自の課題を発表しており、その年の12月-翌年の1月に提出期限が設けられています。

小論文の書き方は多様ですが、入試担当者が認めるハイレベルな小論文にはいくつかの共通点が存在します。今回の記事では入試担当者の目に留まり、印象に残る小論文の共通点を紹介します。

2. 小論文/エッセイのキーポイント:メッセージが明確、ストーリーがわかりやすい

入試担当者の立場に一度立ってみてください。大学によっては何千、何万もの書類が世界中から集まってきます。チームで分担して読んでいきますが、毎年、入試担当者は数十、または数百の小論文を読むことになります。

そのような状況の中で、合格する人たちの小論文は入試担当の記憶に残ることが必要です。

ではどのようにすれば読み手を引き込んで、興味を持ってもらえるのか。

多くの小説や映画などが人を魅了し続けるのは物語としてメッセージが込められているからです。ストーリー性のある物語は、人の心を動かし、共感をよび、強い印象を残すのに効果的です。

そして物語の多くは、様々なイベントやエピソードによって構成されますが、伝えるべき大切なメッセージは絞られていることが多いです。

そのため書き手は明確なメッセージをわかりやすく伝えるために、説得力のあるエピソードや出来事を織り交ぜながら伝えることが求められます。

小論文を書き始める前に自分が入試担当者・大学に対して伝えたい本質的なメッセージは何なのかを見極めて、それを伝えるためのストーリーを意識して是非書き上げてみてください。

教育やビジネスにも活用できる成長物語として「ヒーローズジャーニー」があります。こういったストーリーラインを意識してみるのも面白いでしょう。下記リンクで詳しく読めます。

3. 入試の小論文/エッセイの目的:その人らしさが見えてくる

ストーリーとメッセージを用いて入試担当者に伝えたいのは何なのか。単に興味をわかせることが目的ではなく、最終的には自分を売り込むことが目的となります。

そのため、小論文を通してその人らしさが伝わることが必須になります。

ではどのようにすれば自分らしさを伝えられるのか。小論文を書く上で題材探しに悩む人もたくさんいます。ただ、何千、何万も小論文が集まってくる中で題材のみで印象を残すのは非常に難しいです。

題材自体は特別重要ではありません。

もちろん、全国レベルや世界レベルで活躍した話や自分しか体験していない出来事を題材にすることである程度読み手の興味をひくことはできるかもしれません。

しかし、入試担当者が注目している点は、その人がどのような人なのか?大学入学後にどのように貢献をしてくれるのか?という点です。

小論文で入試担当者がその中でも、特に知りたいのは書き手が経験を通してどのように成長したのか、経験を振り返ってどのようなことに気づいたり、学んだりしたのかという点です。

そのため、書き手は物語を活用して明確なメッセージを伝えながら、より具体的な心情を描写することが求められます。自分はその経験を通してどのような感情を抱いたのか、なぜそのような感情がうまれたのか、それは自分にとってどのような意味があるのか、それらを感じた上でどのような具体的な行動をとったのか、その結果として自分がさらに気づいたことや学びは何だったのか。

このような個人的な成長や心情の描写を出来事、エピソードを組み込んだストーリーを通して効果的に伝えるためには、自分にとってリアルな経験を小論文の題材にすることをお勧めします。

気候変動や少子高齢化などの世界各地で起きている大切な大きなテーマも扱うこともあるかもしれませんが、それらが自分にとってどのような意味があるのかを入れられないのであれば効果的な入試の小論文にはなりません。

重ね重ねになりますが、入試担当者が知りたいのはあなたの知識量ではなく、根本的に「あなたは誰なのか?WHO ARE YOU?」という問いへの答えです。

入試の小論文ではあなた自身の「らしさ」が伝わっているか確認してください。

自分の経験を成長につなげるのに有効な「振り返り」の手法について、下記リンク先ブログで詳しく説明しています。

4. 自分らしさとは?:WHO ARE YOUという質問

自分らしさを伝える上で根本的にはWHO ARE YOU?という質問に答えることが必要だと書きましたが、これはシンプルでありながら非常に奥深い質問です。

・自分はどのような価値観を持っているのか?
・それは単なる理想的な言葉を並べているだけでなく、行動としてもあらわれているのか?
・自分の行動を振り返ってみて見えてくる本当の自分とは?
・今の自分の強みや弱みは何なのか?

大学入試の小論文を書く上で、効果的な小論文を書く上ではまず素直に自分と向き合う勇気と労力が必要となります。

今回の記事では大学入試という観点で自分と向き合うというお話を共有しましたが、WHO ARE YOU?という質問は海外大学入試に限らず人生においてとても重要な問いになります。

自分と向き合って、自らの経験や行動を振り返る中で見えてきた自分らしさをどのように周りに伝えていくのか、どのように体現していくのかには、その人それぞれの答えが存在するはずです。

とても大きな問いにはなりますが、まずは「自分とは何者なのか」という問いに向き合ってみてはいかがでしょうか。

Katsuiku Academyの海外進学エッセイ指導についても こちらのページ から確認いただけます。

自分とは何者か=アイデンティティの理論やアイデンティティを考える具体的な方法について、下記ブログから読めます。