非認知スキルとは何か

非認知スキルを知っていますか?

認知スキルは一般的に言うと、学力(IQ)といった頭の良さを指します。一方で非認知スキルとは、やる気や自己管理力、忍耐力、協調性、社会情緒力などの潜在的な力だと言えましょう。

どうやら最近は頭がいいからと言って、社会で成功できるわけではないようです。プレッシャーに弱かったり、一度失敗すると落ち込んでしまったり、人間関係を上手く構築できなかったり。また、一時期勉強がとても良く出来たとしてもモチベーションや気力がなくなってしまったら、その後人生の成功や幸せを感じられるとは限りません。

非認知スキルは学力だけでなく行動や健康にも影響しています。

例えば、非認知スキルのひとつである社会情緒力を測る為、海外で行われた148,189人の12年生を対象とした調査では、29~45%の生徒しか共感性や意思決定力、問題解決力等といった社会的スキルを持ち合わせていませんでした。高校生の40~60%は学校で学習することに対して気力がなく、30%は非行等に走ってしまうこともわかっています。

学力(IQ)だけではなく、それと合わせて非認知スキルを養うことが社会で自立的に活躍する為にも重要になっているのです。

笑顔で勉強する子供たち 授業 先生

日本でも注目され始めている!?

これまでも非認知スキルは「生きる力」として特に乳幼児の保育教育などで重視されてきました。しかし近年は、OECDとベネッセの共同研究プロジェクトでも現代社会においての非認知スキルを含めた社会情動的スキルの意味合いや必要としているターゲットが変化して来ていることを示唆するなど、更に注目が高まってきています。知識社会の知のイノベーションやグローバル化、多様性に富むようになった社会の中でも、学び続け主体的に活躍できるようになるスキルとして非認知能力は学校教育においても取り組んで行くべきであり、学力と切り離せないというのです。

海外で進んでいる研究者と教師のコラボレーション

海外では既に研究者と教師のコラボレーションにより、どのように非認知スキルの育成が学力等の認知スキルと関わり合っているかについての研究が進んでいます。

その中でもSocial and Emotional Learning と呼ばれるSELプログラムは、対人関係能力を育成するプログラムとして虐めや学内で起きている問題を処理する為だけではなく、社会性や感受性を身につけた生徒たちがどのように自分の行動を自ら改善していくのかどうかについても研究の視野にいれ、広く学校教育に導入され始めました。

最も注目された研究は、2011年に213の学校で行われたSELプログラムの結果の分析です。プログラムを通じて大幅に学生の社会的、感情的スキルは向上され、33のプログラムにおいては生徒の学業成績が11パーセンタイルポイント向上していました。

「どのように生徒の学力を向上させるか」

これは多くの人が常に追い求めて来た問いです。研究者も、教育者も、保護者も生徒本人も、大変関心のあるところでしょう。

しかし今こそ、学力をどう向上させるか、から一歩引いて、生徒個人のやる気や意思の土台となる非認知スキルをどのように向上させるかに着目することが、学力を向上させると共に、21世紀を生き抜く力を身につけさせることになるのです。