進学や就職、引っ越しなどで新しい環境に飛び込む際に、「友達ができるのだろうか?」と不安や心配になる方もいるのではないでしょうか?

また元々人とコミュニケーションを取ることが苦手であったり、コロナ禍で対面で会う機会が減り、クラスメイトや部活仲間と親交を深めることがより難しくなっているかもしれません。

さらに小中高と比べ、大学生や社会人になると、自らの意思でコミュニティの中に入っていかないと友達を作りづらくなる傾向があります。

今回は交流の輪を広げていくための友達の作り方に焦点を当てていきたいと思います。

もくじ
1: 友達との繋がりの重要性
2: 友達との交友関係で育まれる力
3: 友達の作り方
4: まとめ

1. 友達との繋がりの重要性

小中高生は一日の多くを学校で過ごすことになるため、学校生活がどれだけ充実しているか、満足しているかがとても大切です。

内閣府が行っている子供・若者の意識に関する調査 (令和元年度)によると、13歳から29歳までに調査を行った結果、年齢が低い学年ほど学校が家庭に次ぐ居場所となっていることが分かりました。

また同調査の「学校で出会った友人との関わり方」によると、「何でも悩みを相談できる人がいる」、「楽しく話せる時がある」、「困ったときは助けてくれる」、「他の人には言えない本音を話せることがある」、「強いつながりを感じる」など、深い繋がりのある友人がいるほど日々の生活が充実していることが分かりました。

さらに米ブリガムヤング大学が7年半にわたり30万8849人についての寿命を調査したところ、豊かな人間関係であると感じている人は、孤独だと思っている人に比べて死亡率が33%下がっていたという調査報告が出ています。

また同様に、ハーバード大学で75年間にわたり724人の男性の人生(仕事、家庭生活、健康等)について毎年追跡した結果、富や名声、より懸命に働くことよりも良い人間関係が、より幸せに、より健康にしてくれるということが分かりました。

家族や友人、地域社会との繋がりが深い人は、そうでない人よりも幸せで、身体的にも健康で、長生きするのです。そして、他者から孤立している人は、孤独でない人に比べて幸福度が低く、中年期に早く健康状態が悪化し、脳機能が低下し、短命であることが分かっています。(詳細はこちらのTED動画をご確認ください。)

大人になってからいきなり交友関係を広げようと思っても難しいかもしれません。寿命が今後延びていくと考えると、周囲との良好な人間関係はより豊かな生活を送る上でかかせないものになりそうです。

2. 友達との交友関係で育まれる力

実際に友達がいることで、どんな力が育まれるのでしょうか?得られる3つの力について見ていきたいと思います。

1.コミュニケーション力

友達との交友関係が広がっていくことで最も高められる力はコミュニケーション力でしょう。

コミュニケーション能力を高めたいと思う際、「相手にいかにうまく伝えるか」に意識がいきがちです。しかし、コミュニケーションにとって最も大切なことは、「双方向のもの」であるということです。

家に帰って両親や兄弟姉妹と話すときはあまり意識していないかもしれませんが、友達とのコミュニケーションにおいては、相手が今どんなことを考えているのか、自分の伝えたことがどのように伝わり、受け取られるのか考える必要が出てきます。

また他者の気持ちや感情を考えた上で、いかに自分自身を表現できるか、そういった力を鍛えるためにも友達との関わりは非常に大切です。

コミュニケーションの鍵は聴く力についてご関心がある方はこちらの記事をお読みください。

2.受容力

友達と交友を深めていく中で自分と他者との価値観の違いを感じることがあると思います。

自分がいいと思っていても、友達はそれがいいと思わないなど、交友関係を通して他者の価値観が浮き彫りになっていきます。

生育環境下で様々な価値観を持つ子が多ければ多いほど、多様性の重要さを感じ取り、同時にその多様な価値観を受け入れることができるようになります。

海外で教育を受けた子供たちが多様な価値観を受け入れやすいのもその影響です。

昨今、「多様性」が重要視される時代になり「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I、Diversity and Inclusion)」という言葉がよくきかれるようになりました。

互いの違いを理解し尊重することは、日々の交友関係の中から育まれるのです。

多様性に関してはこちらの記事をお読みください。

3.共感・思いやり

友達とよい関係を築いていくためには、相手の立場を思いやることが大切です。

他者に対して無関心であったり、自己愛が強かったり、常に自分を優先させる自己中心的な行動を取っていると人はどんどん離れていきます。

友達の立場に立って考えることや、相手に感謝することなどを意識して行動を積み重ねていくと共感や思いやりの心を育むことに繋がります。

社会に必要な変容を起こす力の源泉とも言われる他者を思いやる心(コンパッション)は、これからの時代重要な力になってきます。

周囲の友達とよりよい関係を築くことでこの力を身に着けることができます。

他者を思いやり寄り添う力、コンパッションとその効果についてはこちらの記事をお読みください。

3.友達の作り方

ここまでは友達の重要性やよりよい関係を築くことで育まれる力を見てきました。

ではどのように友達を作ることができるのでしょうか?

友情は、「近接」「頻度」「持続」「強度」の4つの基本構成要素で構成されると言われています。

「近接」とは物理的な距離感のことです。今までも席が近い子とまずは仲良くなったりしたのではないでしょうか?

「頻度」とは、長期間にわたって接触する回数のことです。何度も頻繁に会う子との方が仲良くなりやすいのです。

「持続」とは、友達と過ごす時間の長さです。その人と過ごす時間が長ければ長いほど、その人があなたの思考や行動に与える影響力が大きくなるという特徴があります。

「強度」とは、言語的・非言語的な行動を通じて、相手の心理的・身体的欲求をどれだけ強く満たすことができるかということです。肯定的な強さには、相互の視線、触れ合い、ささやき、頻繁なうなずき・笑顔、表情豊かな身振り、内側に傾く、会話中の親密な自己開示などが含まれます。

それでは具体的にどのようなことを心掛けていけばよいのか、すぐに始められることをご紹介したいと思います!

【声をかける】

新しい環境や、知り合いが全くいない状況下で自分から声をかけるのはとても勇気がいることだと思います。しかし勇気を出して最初の一歩を踏み出してみましょう。

まずは自分とどこか雰囲気が似ていたり、話しかけやすいと思える人に自分から声をかけてみましょう。

話しかけた後は、会話が続きやすいようになるべく相手が答えやすい内容を投げかけるといいでしょう。例えば「その鞄についているマスコットかわいいね、どこで買ったの?」「次の授業はどの教室だっけ?」などです。

また相手の返事には共感をもって受け答えしましょう。「分かる、分かる!いいよね!」など共感を示すとぐっと距離が縮まっていきます。

中には人見知りという方もいるかと思います。友達の数は多ければ多いほどよいというものではありません。まずは誰でもいいので「一人でも話せる人を見つけること」を目標に頑張ってみてください!

【共通点を探す】

まずは互いの共通点を探していきましょう。共通点を見つけたとたんに初対面の相手と打ち解けられたという経験はありませんか?

同じ学校、血液型、出身地、応援しているアイドルやスポーツチームなど。

人は自分と共通点のある人に親近感を抱く傾向にあります。これを「類似性の法則」といいます。

類似性の法則は、相手との共通点が多くなるほど強力に作用します。類似性の法則は、「性別」「言動」「人種」「学歴」など、さまざまな属性において影響します。

しかし、長く付き合う相手であれば、その共通点が自分にとって重要な共通の事柄なのか確認することも大切です。大切なのは「自分らしさを見失わないこと」です。

「早く友達を作らなければ!」と焦るあまり、普段とかけ離れた人格でいた場合、のちのち苦しむことにもなりかねません。

【笑顔でいる】

非言語コミュニケーションの中で相手に好感、親近感をもってもらうのに一番よいのが「笑顔」です。

アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱された「メラビアンの法則」では、人と人がコミュニケーションを図る際、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合で影響を与えていると言われています。

初めて会う相手の視覚情報は、顔の表情や雰囲気が大きいでしょう。

相手と会話する際は、明るく楽しい雰囲気で常に笑顔でいることを心掛けましょう。

【オンラインの場合】

昨今コロナの感染拡大の影響で対面で人と会う機会が減っているかと思います。

そのような中においても、オンライン上で友達を作る方法をご紹介いたします。

まずは、グループワークで積極的に話しかけてみてください。

オンラインでグループワークの授業がある場合、グループやペアで同じ課題に取り組んだり、ディスカッションをしたりする機会があるかと思います。その際に連絡先を交換するなど、積極的に交流を持つと実際に対面で会ったときにスムーズにコミュニケーションができます。

グループワークが少ない場合は、オンライン授業で発言が面白かったり、服装など雰囲気が自分と似ている人をチェックして名前を覚えておき、対面で会えた時に話しかけるというのがおすすめです。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?友達をもつことで多くの力が育まれるだけではなく、人生そのものが豊かになっていきます。

ただ大切なのは、自分らしさを失わないということです。どんなに友達が多かったとしても自分らしくその場にいられないのならそれはとても苦しいことです。

自分らしく自分の価値観を表明でき、その価値観を尊重して付き合ってくれる友達なのかどうか、焦ることなくじっくりと時間をかけて友達を作っていきましょう。