Katsuiku卒業生インタビュー船田美咲「 サステナブルな社会の形成を目指して 」

船田 美咲

米Hamilton College在学中。柳井正財団奨学生。トビタテ!留学JAPAN高校コース2期生として、高校2年次に米国インディアナ州で1年間現地の高校に通う。高校3年次に東京大学でワークショップ作成のゼミに参加し、授業改革に向けたアプリ開発に参画。世界一周プレゼンコンテスト「DREAM」では、約2000名の応募者の中から優勝。高校卒業後、日本中の教育関係者を訪れるためにひとり旅を決行。全国各地で中高生向けに講演会を行った経験を持つ。現在は、Hamilton Collegeでサステナビリティコーディネーターを務めるなど、環境教育の普及に力を入れている。

居心地の良さを感じた多様性あふれる留学生活

美咲さんはなぜアメリカの大学に進学しようと思われたのですか?

Katsuiku卒業生インタビュー船田美咲「居心地の良さを感じた多様性あふれる留学生活」

美咲: 私は高校生になるまで国際意識はそこまで強くありませんでした。ずっとスキーの練習に明け暮れる毎日を送っていたんです。しかしそんな私に転機が訪れたのは、スキー場でカリフォルニア出身の13歳の男の子に会ったこときっかけでした。その子はわずか13歳で、大学に通っていたんです!正直、本当に驚きました。「私はこのまま日本で、普通の生活を続けていってもいいのだろうか」と感じたんです。世界は広くて、自分の想像を超えたことがたくさんある。そんな広くて大きな世界を見てみたい。そう思って、私はアメリカの高校に1年間留学することを決めました。

その時の生活はとても楽しくて、 多様性にあふれたカルチャーが自分にしっくりきて、すぐに溶け込んでしまいました。すぐに溶け込めたのは、中学生の頃から「なぜ誰も自分の頭でしっかりと考えて生きていないの?なぜ世間一般の常識や当たり前に流されているの?」という疑問が常にあり、周囲と考えや価値観が合わないなとずっと思っていたからだと思います。アメリカの高校では、日本で感じていた息苦しさがなく、自由に自分の考えをオープンにすることができました。

ないものは全て自分で作り出す~アメリカでのクラブ立ち上げ、フードロス問題への取組~

アメリカの大学では率先して色々な活動をされていると伺いました。具体的にはどんなことをされているのですか?

Katsuiku卒業生インタビュー船田美咲「ないものは全て自分で作り出す~アメリカでのクラブ立ち上げ、フードロス問題への取組~」

美咲: 私はまず、「日本クラブ」を立ち上げました。大学にはすでに「アジア人クラブ」があったのですが、アジア系アメリカ人が集まるクラブになっていて、アジア圏出身の人が集まるクラブではなかったんです。ならいっそのこと自分でクラブを作ってしまおうと決めました。毎週集まって、テーマ(日本の方言、お笑い文化、美的センスなど)を決めて、ディスカッションをしたり、イベントを開催したりしています。できたばかりですが、毎回10人以上は集まってくれる居心地のよいコミュニティを作ることができました。そして私は、副専攻で環境学を学んでいて、「サステナビリティコーディネーター」に立候補して就任しました。サステナビリティコーディネーターが具体的に何をやっているかというと、食べ残し・ゴミの削減、ゴミの分別や校内美化への取り組みを広げていく活動です。アメリカに来て気付いたことなのですが、とにかく食べ残しの文化がすごいんです。アメリカでは食べきれない量の料理がどんどん出てきます。特に校内でパーティーが行われると大量の食べ物が廃棄されていきます。私は常々この問題を何とかしたいと思っていました。サステナビリティコーディネーターに就任したことで、徐々にですが組織的な改革に着手できるようになりました。パーティー等で食べ残しが発生した場合には、Facebook等のSNSを使い、今どこに食べ物が余っているのか周知し、またお持ち帰りBOXを設置したりするなどの取り組みを開始しています。他にもキャンパス中の冷蔵庫にリサイクル方法を周知するために、分別カテゴリーが記載されたマグネットをはったり、ゴミ箱の置き場所を変えたりするなどの取り組みを行っています。


目の前で起きている問題に対して自ら考え解決に向けて行動していく

Katsuiku卒業生インタビュー船田美咲「目の前で起きている問題に対して自ら考え解決に向けて行動していく。」

― どんな状況下でも疑問に思ったことはどうしたら解決できるかを考えて自ら行動されていると感じます。今の自分が形成されたのは、どういった方たちの影響があると思いますか?

美咲:今の私があるのは、まず両親の影響があると思います。私の両親はともに学校の先生なんです。両親共に部活があったので、朝早く、夜も遅い。なので基本家では一人で過ごすことが多かったように思います。そのおかげで基本的な家事は一通りこなすことができるようになりました。自立心が強いのもそのおかげです。アメリカでは一度もホームシックになったことはないですね。(笑) 教育方針は基本自由で、両親からあれをしろ、これをしろと指示された経験は全くありません。ただ自分で何かやりたいと思ったときは、「なぜ?」という理由をいつもしっかりと聞いてくれて、思いをちゃんと受け止めてくれる両親でした。おかげでなぜ自分がそれをやりたいと思うのかを、論理的にしっかりと相手に伝える力が身についたと思います。 あとは活育教育財団のメンバーに出会えたことも人生の中で大きな出来事でした。私は高校3年生の8月に、Katsuiku Academyの前身である、Terra Academyのキャンプに参加しました。私はそこで衝撃を受けたんです。今まで日本の中で自分の意見や考えは周囲とはどこか違うと感じていました。しかしTerra Academyのキャンプにいた活育教育財団のメンバーの方達と話してみて、ようやく自分と同じ考えや意見を持つ人に出会えたという感動がありました。今では家族同様に自分の中では大切な存在になっています。本当に色んなことを教えてくれましたし、叱ってもくれました。 そして、このキャンプを通して大きく変わったことは、「自ら考えて行動する」ということです。今までの私は、「世界をもっと良くしたい、変えたい」と漠然と思っているだけでした。思っているだけで、何にもしていなかったんです。このキャンプで「世界を変えたいと言って変えることができた人は一人もいない、目の前で困っている人のことを考えて行動し続けている人が結果的に世界を変えているんだよ。」という話を聞き、どんどん行動していこうと思いました

人がイキイキ、ワクワク生きることのできる社会こそサステナブルな社会

― 今後、将来は何をしていきたいと思いますか?またどんな社会を作っていきたいと思いますか?

美咲: 私は、サステナビリティについてみんなが自分事として考えられる社会を作りたいと思っています。自分の人生がいかに環境問題とつながっているかをみんなにしっかり理解してもらいたいんです。具体的にいうと、教育プログラムの中で、自己理解とセットで環境問題について教えていきたいと思っています。

 そして私はどんな人もイキイキ、ワクワク、生きることができる社会を作っていきたいと思っています。どんなことにイキイキやワクワクを感じるかは人それぞれだと思いますし、それは時とともに移り変わっていくものだと思います。私自身、最初はスキーばかりやっていて、その後アメリカに留学して、文化人類学、学校教育、そして今はサステナブル教育に強い関心があります。今自分は何に興味があって、何をしたいのか。大きな夢やビジョンを描くことも大切ですが、今興味あることに没頭していけば、やがて点と点は繋がって線になっていきます。イキイキ、わくわくはエネルギー源であり、サステナブルな要素だと思います。サステナブルな社会を作ることを目指す場合、まず人自身がイキイキ、ワクワクを追及できる社会を作らなければと感じています。

最後に中高生に向けて一言をお願いします

美咲: 高校生の時、アメリカの大学に進学することは無理だと思っていました。自分に自信がなかったんです。しかし、活育教育財団のメンバーが、「とにかく挑戦してみよう。行動すれば必ず得るものはある。」と励ましてくれたからこそ今の自分があります。 何事もまずは挑戦、行動してみてください。絶対にあきらめないで。

Katsuiku卒業生インタビュー船田美咲「人がイキイキ、ワクワク生きることのできる社会こそサステナブルな社会」