あなたが大好きな映画や本を思い浮かべてください。

多くの方はその映画や本の主人公を思い浮かべたのではないでしょうか。

世界中を魅了してきた物語の多くには私たちが応援している主人公がいます。私たちはその主人公が大きな壁に立ち向かうのをハラハラドキドキしながら見守り、その壁を乗り越えて成長を実現していく姿に感動します。

世界中を魅了してきたハリー・ポッターや千と千尋の神隠しの千尋も一旦、平凡な日常からストーリーが始まるのも我々の共感を誘っています。表面上の出来事は異なりますが、多くの主人公が実は同じ道のりを歩んで成長を実現しているという説をご存知でしょうか。今回のブログでは世界のストーリーを紐解いて成長物語の仕組みが見えてくるヒーローズジャーニー(神話の法則・英雄の旅)に関してご紹介します。自分の成長または周りの人の成長を促すためにも活用できるヒントがたくさん溢れているヒーローズ・ジャーニーの詳細となります。

世界の神話を研究してきたジョゼフ・キャンベル氏の発見

世界中の神話を研究したジョゼフ・キャンベル氏は数多あるストーリーを研究していく中で一つのことに気付きました。姿、形、世界観などは違えど主人公たちが辿っている道のりは多くの共通点があり、実は一つの成長のプロセスを表していると考えました。

ジョゼフ・キャンベル氏はこの世界のヒーローたちが辿っていく成長のストーリーを「ヒーローズ・ジャーニー」と名付け、「千の顔をもつ英雄」という本に研究をまとめて出版しました。

世界中の人々が時代を超えても共感し、魅了され続ける主人公や物語を作るヒントとなるヒーローズ・ジャーニーは現在では映画の脚本作りで紹介されたり、ビジネスシーンでは効果的なプレゼンの方法や人の成長に関わる方々にはコーチングや人生の捉え方でも活用されています。

ヒーローズジャーニーは12のステップで構成されており、下記にて12のステップを紐解きながらジョゼフ・キャンベル氏の説をより深くみていきたいと思います。

成長を表すヒーローズ・ジャーニー:12のステップ

ヒーローズジャーニー ステップ1:平凡な日常:

ストーリーは日常的なシーンから始まります。この時点ではまだ問題は起きていなく、平凡な日常生活を過ごしている主人公が描かれています。ハリー・ポッターで考えると親族の家で暮らしている状況です。

ヒーローズジャーニー ステップ2:非日常への誘い:

この段階では主人公に対して新たな旅立ちへの誘いが訪れます。多くのストーリーでは主人公が希望している形ではなく、旅立たなければいけない状況がきっかけとなります。今まで通りの平凡な日常から離れる必要やきっかけが現われます。ハリー・ポッターではハグリッドがハリーを急に迎えにきて魔法学校へと誘う場面です。

ヒーローズジャーニー ステップ3:非日常の拒絶:

主人公はステップ2の誘いに対して懐疑的であったり、または恐怖を感じているため、拒みます。ただ、未知への恐怖を乗り越えて旅立っていく段階へと入ります。ハリー・ポッターではハグリッドからの誘いに対してハリーは最初は自分の可能性を信じず、誘いに対して不安や懐疑的な反応を示します。「I can’t be a wizard, I’m just Harry(僕が魔法使いなんてありえない。僕はただのハリーだよ。」

ヒーローズジャーニー ステップ4:師との出会い:

未知なる場所へと進む中で師匠との出会いが訪れます。主人公に対して必要なアドバイスをくれ、次へと進むための助言を与えてくれる存在です。ハリーポッターでのダンブルドア教授などがこちらの存在に当てはまります。

ヒーローズジャーニー ステップ5:事件の始まり:

主人公が旅立ちを受け入れて物語の事件へと関わっていきます。この時点を越えるともう元の日常には戻れないという時点でもあります。ハリー・ポッターでは今までの平凡な日常から離れて魔法学校という世界へとどんどん入り込んでいく場面がこちらのステップになります。

ヒーローズジャーニー ステップ6:試練、仲間、宿敵との出会い:

主人公はたくさんの試練に立ち向かいます。それらを乗り越えるための仲間や宿敵とも言える存在と出会います。これらを乗り越えなければ成長は実現できません。ハリー・ポッターでは悪い魔法使いに立ち向かったり、大蛇と戦ったりなど様々な試練を迎えます。

ヒーローズジャーニー ステップ7:もっとも危険な場所への接近:

主人公はもっとも危ない状況に立ち向かうため、その状況へと近づいていきます。その状況はもっとも危険な場所であるとわかっていますが、それを乗り越えないとストーリーの目的は達成できないことが分かっています。ハリー・ポッターではボルデモート卿との対戦に向けての様々な準備がこちらに当てはまります。自ら危険であると分かりながらもその状況に主人公が近づいていきます。

ヒーローズジャーニー ステップ8:最大のチャレンジ:

先ほどのもっとも危険な場所と向き合っている状況です。多くのストーリーでは死の危険性と向き合ったり、最大のチャレンジとして描かれることが多いです。ハリーポッターでヴォルデモート卿との戦いなどがこちらに含まれます。

ヒーローズジャーニー ステップ9:報酬・宝:

最大のチャレンジを乗り越えた時に主人公は報酬を手に入れます。これは物理的な報酬や精神的な報酬などストーリーによって異なりますが、最大のチャレンジを乗り越えたからこそ手に入る物を取得します。ハリー・ポッターでヴォルデモート卿を退治することでハリーは仲間を含めた世界を救うことや自らの成長などを報酬として取得していきます。

ヒーローズジャーニー ステップ10:帰路:

先ほどのステップで取得した報酬を持って、帰路へと向かいます。ただ、最大のチャレンジ、もっとも危険な場所から去っていく場面でもあるため、多くのストーリーではまだ敵に追われていたり最後の危険が孕んでいる状況です。

ヒーローズジャーニー ステップ11:復活:

主人公が特別な体験から戻ってき、自分が生まれ変わったことを実感していきます。ストーリーによっては最大のチャレンジの中で死に直面し、死んでしまった主人公や死に際の主人公が息を吹き返すという描写もあるステップです。ハリーポッターでもハリーが一度死にを体験するような描写があり、そこから復活するシーンが描かれています。

ヒーローズジャーニー ステップ12:宝を持って日常への帰還:

最終的に主人公は元の日常世界に戻ってきます。ただ、同じ世界ですが、主人公は大きな冒険の末、たくさんの宝(教訓、経験、スキル、気づき等)を得た上で戻ってくるため新たな次元に達しています。ハリー・ポッターでは全てを終えたハリーが成長した数年後の姿が出ますが、たくさんの教訓や経験を持っても生活が続いているのが伺えます。

上記の12ステップがヒーローズ・ジャーニーのステップとなります。

自らの人生においてのヒーローズジャーニーは?

上記で紐解いた、ヒーローズジャーニーはあらゆるストーリーでも見つけられます。あなたの大好きなストーリーや主人公とも照らし合わせてみて下さい。おそらく多くの主人公がこのサイクルを通じて成長を実現していることでしょう。

物語の主人公たちが成長を実現する時に辿るこの道のりは、皆さんも辿ることができます。もうすでにこのジャーニーのステップを進んでいる方もたくさんいると思います。

もしかすると現在、大きな試練を乗り越えようと努力を重ねている最中かもしれません。クライアントの前でのプレゼンテーション、部活での大きな大会、社会人や学生に限らず私たちは日々たくさんの試練に向かってチャレンジを行なっています。

あなた自身が今どの時点にいるのか確認してみてはいかがでしょうか。

もし、まだジャーニーが始まっていないのであれば新たな非日常への誘いを探してみてください。おそらく見つかるはずです。あなた自身が主人公として進んでいくヒーローズジャーニーへの入口が。