自分の家族や友人などに幸せな人生を歩んでほしいと思うのは自然なことではないでしょうか。

ただ、「幸せ」の定義は幅広く各個人の主観によって大きく異なってしまいます。また、幸せの定義は同じ個人でも10歳の時と60歳の時で異なるように年齢によっても差は生じてしまうと思われます。

世界的に高齢化が進む中で、高齢期において人生に対して満足度・幸福感を高く感じている人たちはどのような要因があったのか、長期的なデータに基づいた研究が世界中で関心を集めています。

今回のブログでは、数十年にわたる長期的なデータから見えてきた「幸せな人生の要因」を紐解いていきます。

幸せを感じやすい子供を育てるヒントに関しては下記の記事をご覧ください。

もくじ
1: イギリスの60年以上の研究データから見えた結果:内発的動機の大切さ
2: TED TALK ハーバード大学の長期リサーチで見えた幸せの要因:コミュニティの大切さ
3: まとめ:幸せな人生の秘訣は「どのような価値観を持つか」


1.イギリスの60年以上の研究データから見えた結果:内発的動機の大切さ

東京都医学総合研究所の山﨑修道主席研究員、西田淳志センター長はロンドン大学と共同研究を行い、第二次世界大戦直後に英国全土で開始され60年以上にもわたって継続されてきた大規模追跡調査のデータを分析しました。

1946年に生まれた1,727人のデータを分析したところ、15-16歳の際に持っていた価値観が60-64歳になった際の幸福感に影響を与えていることがわかりました。

具体的には、15-16歳時点で将来の仕事に関する考え方を聞いたところ、「興味があることを仕事にしていたい」や「プライドを持って仕事をしていたい」などの内発的動機を大切にしている人の方が60-64歳時点での人生に対する満足度/幸福感(Satisfaction with Life)が高い数値となりました。

報酬や安定した地位という外発的動機を大切にしていたグループよりも内発的動機を大事にしていたグループの方が人生に対する満足度・幸福感が高かったことからも、思春期においてどのように内発的動機付けを促すかが一つの課題かもしれません。

「やる気」を出していく上でも、以前から報酬などの外発的動機よりも自らが興味を持っているからまたは楽しい・好きだからと自発的に物事に取り組む内発的動機の方が継続的に「やる気」を維持できるとも言われています。より詳しく知りたい方は下記のブログをご覧ください。

2:TED TALK ハーバード大学の長期リサーチで見えた幸せの要因:コミュニティの大切さ

「人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から」の題名で三千万回以上の再生数を誇っているTED TALKでは75年間続いているハーバードによる研究が紹介されています。この研究の4代目の研究責任者であるロバート・ウォールディンガー(Robert Walldinger)が研究の詳細をわかりやすく紐解いています。

この研究では、724人の男性を75年間追跡し仕事や家庭生活、健康などに関する調査を継続的に行ってきました。

健康的かつ幸せな人生を歩むために最も重要な要因は、金銭的な裕福さでも名声でもがむしゃらに働くことでもなく、良い人間関係を築けているかでした。

孤独は健康にも悪影響を与えており、家族、友人やコミュニティなど周りとの繋がりを持っている人の方が健康を保てていることが見受けられました。また繋がりにおいては、ただ単に繋がっていることや友人の数などよりも身近な人たちとの関係の質が重要であることも見えてきました。

50歳時点で30年後の80歳時点での健康状態をもっとも正確に予測するのは、50歳時点での人間関係であることがデータで現れています。

また同研究では、良い人間関係は健康だけではなく、脳にも好影響があり、身近な人との良い関係を保てている人ほど記憶がはっきりしていることがわかっています。

家族や友人など何年も知っている中だからこそコミュニケーションが疎かになってしまっている方もいるのではないでしょうか。長期的な幸せや豊かな人生の鍵は、最も近くにいる人たちとどこまで大切な関係を築けるのか、その努力をどこまで行えるのかにかかっているのかもしれません。

3: まとめ:幸せな人生の秘訣は「どのような価値観を持つか」

今回のブログでは長期的なデータをもとに幸せな人生を築くための要因を紐解いてきました。自分の中での価値観を大切にし、内発的動機をもとに物事を考えていくことが重要かもしれません。

ただ、忙しい日々に追われて自分の価値観をうまく言語化できていない人の方が多いのではないでしょうか。

長い人生をより幸福にするために、忙しい日々でも自らの価値観を確認する時間をとってみてはいかがでしょうか。

自らの価値観、自分のことを知ることに興味がある方は下記の記事をご覧ください。

◆参考リソース:

・The Journal of Positive Psychology:Interaction of adolescent aspirations and self-control on wellbeing in old age: Evidence from a six-decade longitudinal UK birth cohort
https://www.tandfonline.com/doi/epub/10.1080/17439760.2020.1818809?needAccess=true

・人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から:ロバートウォールディンがー(Robert Walldinger)
https://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_lessons_from_the_longest_study_on_happiness/transcript?language=ja