「マインドセットがあっていない」「マインドセットがなっていない」などと聞いたことはないでしょうか?

マインドセットという今まで聞き慣れなかった言葉に遭遇してマインドセットとは?と疑問に持っている方もいると思います。

この記事では、マインドセットの中でも近年注目されているグロースマインドセットとは?誰でも取得できる成長し続ける人の共通点について紹介します。

上記を紐解く中で、そもそもマインドセットとは?その意味と注目されている背景を説明します。グロースマインドセットやフィックスドマインドセットとの違い等も一緒に紹介します。

マイクロソフトが注目する理由や教育への応用例など、グロースマインドセットを持つことの重要性、必要性が理解できます。

そもそもマインドセットの意味とは?

マインドセットとは、その人が持っている基本的な物事に対する考え方です。

どのような基準で物事を判断したり、行動したりするのかを決めている考え方です。マインドセットは多くの要因によって形成されています。

その人が受けてきた教育、これまでの経験、時代背景、生まれ育った文化、価値観や信念によってマインドセットは作られていきます。

グロースマインドセットとは?グロースマインドセットをもつことの重要性

不確実性が高まる現代社会では一つのスキルを習得すれば安泰という世界ではありません。

常に新しいスキルを身につけることが求められ、業界などに限らず活躍し続けるには成長し続けることが必要です。 では、成長し続ける人はどのような共通点を持っているのか。

成長し続ける人が持っている考え方・姿勢として注目を受けている「成長型マインドセット(グロース・マインドセット)」という言葉をご存知でしょうか? 成長型マインドセット(グロース・マインドセット)について詳しく知ることで、自分だけではなく、周りの仲間(同僚、クラスメート、チームメート)や家族・子どもの成長の可能性をさらに高めることが可能になります。

成長型マインドセットを広めた本と提唱者のキャロル・ドゥエック

成長型マインドセットはスタンフォード大学心理学教授のキャロル・ドゥエック氏が提唱した考え方であり、中高生を含めた全ての人の成長の鍵を握っています。

キャロル・ドゥエック氏は米国のイエール大学で博士号を習得し、その後、コロンビア大学、ハーバード大学など米国トップクラスのアイビーリーグの大学等で教鞭をとり、現在はスタンフォード大学の教授です。 彼女が行なってきた数十年の研究内容をまとめた「MINDSET」(邦題:「やればできる!」の研究)は世界的ベストセラーとして注目を受けています。

グロースマインドセットにマイクロソフトも注目!

キャロル・ドゥエック氏が行なった研究の対象は教育現場での小学生でしたが、グロースマインドセットの考え方は教育現場だけではなく多くの世界のトップ企業や大学なども注目しています。

その一つがマイクロソフトです。2014年からCEOとしてマイクロソフトを引っ張ってきたサティア・ナデラ氏はグロースマインドセットこそが企業の成長において必要な考え方だと信じてきました。それを社内の文化として値付けさせるための様々な大規模な取り組みを行なっています。

では、世界のトップ企業のCEO達が注目しているグロースマインドセットをさらに具体的にを紐解いていきたいと思います。

人の成長を大きく左右する二つのマインドセット:グロースマインドセットとフィクストマインドセット

学校の数学テストで赤点をとった時にあなたならどのような反応をしますか。 「やっぱり自分には数学の才能がないのかな」

「まだ出来ていないな。勉強が足りないな」 同じ素質を持っていても、その素質を最大限に発揮できるタイプとできないタイプでは物事の捉え方・考え方、いわゆる『マインドセット』に大きな差があります。キャロル・ドゥエック氏はこの観点に着目し、長年の研究から二つのマインドセット「固定型マインドセット(Fixed mindset)」と「成長型マインドセット(Growth Mindset)」があることを観察しました。

グロースマインドセットとフィクストマインドセットの違いとは

「能力は生まれつきで変えられない」と信じるフィクストマインドセット。

「能力は努力や方法によって変えられる」と考えるグロースマインドセット。

難しい課題や状況に直面した際の反応によって、その人がどのようなマインドセットを持っているのか見分けることができます。

例えば、最初の数学テストの結果に対して「才能がない」と決めつけたり、自分に失格の烙印を押してしまう人は固定型マインドセットの持ち主です。固定型マインドセットは人の能力は生まれながら決まっているため変えられないと考えており、解決できない状況を「失敗」として捉えてしまいます。

一方で、「まだ出来ていない」と反応した人は、今はできないが努力を重ねることや工夫することによって自分もいつかは出来ると信じている成長型マインドセットの持ち主です。成長型マインドセットの持ち主は人の能力は成長させることが可能だと考えており、課題や状況が思い通りにいかなくてもそこから何かを学べる・得られることに喜びを感じることができます。

成長型と固定型によって物事の捉え方が大きく異なります。下記の表では成長する上で必要とされる努力や新しいチャレンジに対してそれぞれのマインドセットの持ち主がどのように反応するかをまとめています。

「失敗を恐れる」:成長の機会から逃げてしまうフィクスト(固定型)マインドセット

固定型マインドセットは能力は変えられないと信じています。そのため、失敗することは才能がないと同意義と捉え、自分が失敗することを強く恐れてしまいます。また、自分が失敗した際にも自分が間違った点と向き合うよりも、 「テスト中に、となりの◯◯くんがくしゃみをしていたから集中できなかった」

「◯◯くんの方が僕より点数が悪い」

と周りのせいにしてしまったり、自分より成果を出していない人を見つけて安心を求めてしまいます。このマインドセットが強すぎると失敗する可能性を恐れ、難しい課題や状況を避けて、自ら成長の機会を失ってしまう傾向に陥ります。

「成長を求める」:挑戦を楽しみながら進めるグロース(成長型)マインドセット

一方で、能力は変えられると信じている成長型マインドセットの持ち主は、問題に対して真剣に向き合い、なぜ間違ってしまったのか、何が足りなかった等と思考回路が働きます。

「今はまだ」できていないという考えが根底にあるため、

「次のテストまではもっと◯◯の部分を集中的に勉強しよう」

「数学が得意な◯◯さんにアドバイスを求めてみよう」

と次のステージを実現するためのプロセスを考え、目標達成へと進んでいきます。 固定型マインドセットとは異なり、成長型マインドセットは自分にとって難しい問題や課題から逃げることなく、むしろ自らの成長の可能性を信じて、挑戦を楽しみながら能力を更に開発していく傾向があります。

グロースマインドセットを育むためのスタート地点:まず自分の傾向を知ること

日頃から困難や思い通りの結果がでない状況に対してあなたはどのような反応をしていますか。

全ての人が成長型、固定型のどちらかにキレイに別れるわけではなく、一人一人の中でも分野等によって反応が異なることもあります。

例えば、スポーツの分野においては成長型の傾向があるが芸術や音楽に関しては固定型マインドセットになってしまうなど。まずは自分がどのようなマインドセットの傾向を持っているのかを気付くことがマインドセットを育む上で大事な一歩でとなります。

日常の中で困難な状況に直面した際に自分がどのような反応をしがちかを観察してみてください。あなたやあなたの周りの人たちの成長を促すヒントがそこにはあるかも知れません。

自らできるグロースマインドセットを育む方法

成長型マインドセットを身につけるにはどのような点に注意をすることが必要なのか。自分自身また周りの人たちにも活用できる方法を紹介します。

1、失敗した時にはどうすれば成功するのかを考えるくせをつける:

2、結果ではなく過程を重視する

失敗してしまうとどうしても自分を必要以上に責めてしまったり、または環境や関わっている人など周りのせいにしてしまうことがあります。

ただ、初めての挑戦に対して失敗してしまうのは自然なことです。補助輪なしの自転車に初めて乗った時にふらついたり、こけてしまうのと同様に慣れない行動や挑戦はうまくいかないことが当たり前です。最初はうまくいかなかったこともなんども振り返って、正しい努力を重ねることで上達していきます。最初にふらついていた自転車もおそらく今は特に問題なく乗りこなしていると同様に新しい挑戦で最初は失敗しても、繰り返し努力をすることで上達することができます。

また、失敗や成功という結果に執着しがちですが成長型マインドセットを持っている人は結果よりも過程を重視しています。失敗しても成功してもその過程を振り返ることによってさらなる成長の機会を見出していきます。

例えば自転車の例で見ると、転んだからダメだった、乗れたから問題ないという結果重視の反応ではなく、転んだ際にはなぜ転んでしまったのか、スピードが足りなかったのか、ハンドルを急に曲げたからなのかなど過程を見ることによって次の挑戦での修正点が見えてきます。成功していてもどうすればもっと安定的に乗れるのか、スピードを出すにはどうすればいいのかなど過程を振り返りながら次のステップを進めることができます。

保護者・先生必見:成長型マインドセットを子どもが身につける方法:

先ほど紹介した方法を他者に向けて行うことも可能です。 同僚やチームメンバー、またや家族やお子さんが新しい挑戦に取り組んでいる時どのように関われば成長型マインドセットを育めるのか。

1、失敗してしまった際にはなぜ失敗してしまったのかを振り返り、どうすれば成功できるのかを一緒に考えること

2、結果のみに焦点をあてず、過程を重視すること

特に2に関しては、成功した際の褒め方によっては固定型マインドセットを助長してしまう恐れがあります。 例えば学校や会社でのプロジェクトがうまくいった際に、

「さすがだね!やっぱり○○なら最初から成功すると思っていたよ」

など相手の気持ちをあげるために伝えてしまうと成功という結果しか見ていないように相手には伝わります。その場合、成功しないと褒めてもらえない、失敗はしてはいけないという固定型マインドセットの考えを植えつけてしまっています。 結果のみに焦点をあてず、過程を褒めることによって受け取る側は次も褒めてもらうには過程をしっかりしようと考えが芽生えます。 例えば

「最後まで色々と調べて、頑張っていたのがよかったよ!」

という褒め方をすると結果だけではなく、そこにたどり着くまでの過程を指摘されているので、その挑戦自体をまた再現しようと相手は考え、成長型マインドセットの考えが植え付けられます。 皆さんも自分や周りの人たちががどのようなマインドセットを持って日常を過ごしているのか観察し、どのようにしたら成長型マインドセットを広められるかぜひ実践してみてください。

グロースマインドセットが芽生えた高校生の例:

「失敗することは悪いことではなく、次に繋がることなので、チャレンジをやめないこと。何事にも積極的に、楽しむこと!!」(2019年武蔵野サマーキャンプ参加者 Oさん)

「経験に無駄なことは無いこと。失敗の向こうに繋がる何かがある」(2019年武蔵野サマーキャンプ参加者 Sさん)

「何度も周りの目など恐れずに目標に向け練習を重ねる(practice)することが成功への大きな鍵なのではないかということに気づいた。目標へ向けた練習は新たな挑戦を促し自分が見たことのないような世界を見せてくれるものだという事を学べた。」(2019年千葉サマーキャンプ参加者 Kさん)

Katsuiku Academyが実施しているキャンプに参加した中高生がそれぞれが得た一番大切な学びや気づきを振り返った際に共有してくれた言葉です。

新たな挑戦を恐れてしまうことは当たり前のことですが、参加者の言葉からその恐れを乗り越えて自らの成長を求めるグロースマインドセットを育んでいる様子が伺えます。

Katsuiku Academyのプログラムでは脳がどのようにして新しいことを学ぶのかを習い、自らの思い込みや癖、マインドセットの傾向に気づくことができます。アクティビティやプロジェクトを通して成長型マインドセットを活用しながら課題に取り組み、どのような言動をとれば前向きに挑戦し続けられるか、困難な状況からどのように学べるかを実践していきます。

参考資料:

Carol Dweck: “Mindset: The New Psychology of Success” 邦題:「やればできる!」の研究