お子さんが「学校にいかない」となった場合どのようなオプションが存在するのか。

日本では、小中学校の不登校児童生徒数が年々増えているのをニュース等で見かけた方もいるのではないでしょうか。

文部科学省がまとめた「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」の資料を見ると令和元年度の小学校の不登校児童数は53,350人と全体の0.83%、中学校の不登校生徒数は127,922人で全体の3.94%となっております。5年前の平成26年度の数値と比べると、小学生は25,864人で全体の0.39%、中学生は97,033人と全体の2.76%となっており、実数も割合も共に上昇傾向にあります。

今回のブログでは、このような背景の中で注目を受けているフリースクールについてご紹介します。

もくじ
1: フリースクールとは?フリースクールの基礎知識
2: フリースクールの活動内容
3: フリースクールは出席扱いになるのか?卒業資格は?
まとめ

1: フリースクールとは?フリースクールの基礎知識

フリースクールは公的な機関ではなく、個人経営や民間企業、ボランティア団体、NPO法人等によって運営されている民間の教育機関です。

小学生や中学生を対象としている施設が多くありますが、中には高校生まで幅広く受け入れている場所もあります。

フリースクールでは様々な理由から学校に行っていない子ども等を受け入れています。中には学習障害や発達障害などを抱えている子どもを支援することを目的にした施設もあります。

フリースクールの特徴としては、入学資格が設けられておらず、学校ではないため学習指導要領のようなカリキュラムの縛りが存在しません。例えば、何年生までに決められた内容を行わないといけない等の学習指導要領の決まりに縛られないことが特徴です。カリキュラムの自由度が高いため、施設によっては年齢や学年が異なる生徒同士がお互いに学びあう形をとっているところも存在します。

「個に応じた指導」に関する学習指導要領の規定や海外における事例については下記のブログで読めます。

2:フリースクールの活動内容

上記にも記載している通り、フリースクールは定められたカリキュラムが存在しないため、どのようなことを行っているのかは施設によって異なります。

子どもたちの自主性に任せて、どのような形で1日を過ごすのかを一緒に考えながら進めている施設も存在します。

文部科学省が令和元年5月に発行した「民間の団体・施設との連携等に関する実態調査」では活動内容に関して351箇所の民間団体・施設からの回答を得ています。351団体の回答から実施率が高い活動内容をトップから順に見ると「個別の学習支援」(85.2%)、「相談・カウンセリング」(82.3%)、「スポーツ」(66.1%)、「調理体験」(64.4%)等が挙げられています。

上記の実態調査では、学習カリキュラムの有無に関しても調査しており、351団体のうち、154団体(43.9%)が学習カリキュラムを決めていると答えており、残りの197団体(56.1%)が決めていないと回答しています。

フリースクールと比較される施設として、サポート校があります。どちらも民間が行っている教育機関ですが、NPO法人や個人が運営していることが多いフリースクールに対して、サポート校は予備校や学習塾が運営主体となることが多いです。

そのため、フリースクールは生活や精神面での支援に重点をおいており、サポート校は学習支援の特徴が強く出ていることが多いです。ただ、近年では様々な目的やカリキュラムを設定しているフリースクールも増えているため、学習指導にも焦点を当てているフリースクールも存在します。

子どもたちの学習環境に関して、社会的認知や教育心理学における理論が下記ブログから読めます。

3: フリースクールは出席扱いになるのか?卒業資格は?

文部科学省は不登校児童生徒への支援について、不登校児童生徒数が高い水準になってしまっていることを生徒指導上の喫緊の課題としています。

また2016年9月14日の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」では、不登校については,「取り巻く環境によっては,どの児童生徒にも起こり得ること」として捉えており、支援の必要性を認識しています。

また支援に関しても学校に登校することを一つの目標においている傾向がありますが、2019年10月25日の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」では「不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す」と記載しており、学校に登校するということを目標にするのではなく、社会的な自立をより大きな目標として重要視していることが伺えます。

社会の変化とそれに伴う教育の変化については、下記のSociety 5.0に関する記事が参考になります。

ただ、日本では学校教育を教育の中心としているため、フリースクールに通う場合でも公的に認められている学校に籍をおく必要があります。

そのため、フリースクールに通っている小中学生は、以前通っていた学校または住民登録が行われている市区町村の定められた学校に籍をおく形になります。

フリースクールの登校が出席として認められるにはいくつかの条件を満たす必要があります。

基本的には、在籍校の校長が認めた場合、フリースクールの登校が在籍する学校の「出席」として認められます。

小中学校の卒業に関しても校長の判断によって卒業資格が得られることが多いです。

フリースクールの小学校や中学校に通った後の進路として、高校に関しては全日制高校に通ったり、フリースクールと並行して通信制高校で学びながら高校卒業資格を得る方も多いです。高校卒業資格についてはフリースクールに通っているだけでは必要条件である単位が得られないため、全日制高校に通ったり、通信制高校と並行する必要があります。

フリースクールは卒業資格を出せないため、履歴書としては在籍していた学校を記載することになります。例えば、フリースクールの小中学校に通い、高校もフリースクールと通信制の学校を並行した場合でも、履歴書に載せる学校としては在籍していた小学校、中学校及び通信制の高校の名称を記載することになります。

まとめ

不登校児童数が増える中、教育の中心を担ってきた学校と学校以外の民間教育事業の連携が、今後も支援の一つとして注目を受けています。

民間教育事業の中でもフリースクールがどのように支援を行えるのかは一つのキーポイントともなりえます。

文部科学省も発表している通り、不登校についてはどの児童生徒にも起こりうることです。そのような状況でも学ぶ機会や他者との交流などが損なわれないこと、その機会を与えるためにどのような支援が社会全体としてできるのか、今後もさらなる連携や試行錯誤が必要とされています。