この世界は沢山の「選択」で満ち溢れています。あなたがこの記事を読む選択をしたように。

私たちは何を基準に様々な選択を下しているのでしょうか?今回の記事では、様々な選択をしていく上で大切となる「自己理解」についてFFS理論を用いて、解説していきたいと思います。

もくじ
1.FFS理論とは?
2. FFS理論の5因子
2-2. FFS理論と他の適性検査との違い
2-3. あなたの因子は?
3. FFS理論を活用した事例紹介
4.まとめ

1.FFS理論とは?

FFS理論とは(Five Factors and Stress)、小林惠智博士の思想に基づき、人間の特性を「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」にの5つに整理し、それぞれの因子の数を比較することによって、その人が示す反応・行動を計測するものです。

また、ストレス学、生理学をベースに、2万人を対象にした研究から導かれたれっきとした科学的な裏付けがある理論でもあります。

複数人から編成されるチーム・組織に属する、個々のメンバー特性を理解したうえでそれぞれの持つ強みや弱みを客観的に把握する手法として活用されています。

開発者である小林博士は、米国国防機関から依頼を受け、組織内の生産性を上げるための理論を開発し、8人で12人分の生産性を上げたことで、FFS理論が一躍注目を浴びたこともあります。

2. FFS理論の5因子

FFS理論は個人の性格を5つの因子に分類しています。


「凝縮性因子」

特徴:自分自身の思想・価値観を強く持っている傾向にある。(自らを固定・強化しようとする力の源泉となる思い入れ因子)

「受容性因子」

特徴:自分の周りの人が幸福であるときにこそ、自分も幸せを感じる傾向にある。(自らの外部の状況を受け入れようとする力の源泉となる思いやり因子)

「弁別性因子」

特徴:自らの内部・外部の状況を適・不適などのように相反分別しようとする傾向にある。(自分の置かれた状況や心理状態などに関して、それが適正であるか不適正であるか二分的に弁別する機能をもつ因子)

「拡散性因子」

特徴:人に対して「よく見せたい・得をしたい」と思う傾向がある。自らを拡張・発展させようとする力の源泉となる攻めの因子)

「保全性因子」

特徴:人に対して「よく見られたい・損はしたくない」と思う傾向がある。自らを保全・維持しようとする力の源泉となる守りの因子)

2-2. FFS理論と他の適性検査との違い

FFS理論は主に、企業で活用されることが多いですが、中には「部下のことを見れば、大体何を考えているかわかるよ!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それぞれがもつ因子によって「ネガティブ・ポジティブ」になる時が異なるため、上司が想像する部下の気持ちと、部下の実際の気持ちに乖離が生まれてしまい、組織崩壊につながる危険性もあります。

FFS理論は一般的な適性検査とは異なり、「あなたはこの業務に適正・適正ではない」とのように能力の優劣での判断ではなく、「適正・適正ではないと思われる理由・要因を分解」しています。そのため、個々の能力値ではなく、あくまで特性を測っている理論でありながらも、「人それぞれだよね」で終わらせるのではなく、それぞれの行動特性を把握することで、チームのパフォーマンスを最も高い状態へ持っていくことを目指すものでもあります。


例を挙げると「あなたは、メタ認知能力は低いが、足元の作業をコツコツとこなすことができる性格」と適性検査によって診断された場合、コツコツと進められることから、ロジ周りの作業を担当してもらうように話が進むでしょう。しかしFFS理論の場合は「メタ認知能力が低い・コツコツと作業できる」その背景にある要因として、次のような要素を見つけ出すことができます。

・大きなビジョンを捉えるより、足元の作業を進めることに安心感を覚える

・思考するよりも実際に手足を動かすことにモチベーションがあがる

・大きなビジョンを捉えるだけだと、足元が進んでいないと感じ不安を感じる


このように、「その仕事に適性があるか?」を判断するのではなく、「その人の価値を最大限、この業務で生かすためには、どのような工夫ができるか?」を判断します。向き不向きではなく、「全員に等しく活躍できる幅を広げてくれる理論」であることが、一般の適性検査と大きく異なる点です。

2-3.あなたの因子は?

自分自身のタイプを知ることで「ストレス要因」となる個人の個性を理解し「強み・弱み」を把握することが出来ます。

例えばチームを引っ張る実力と権威を兼ね備えた欧米型のリーダーは、FFS理論でいう「凝縮性」と「拡散性」の2つの因子が多い傾向にあるため、「保全性」「受容性」が高い日本人にとっては、そのような欧米人と同等の形のリーダーシップを取ることは難しいとも考えられます。

統計によると、日本人の65%は「保全型」で、残り35%が「拡散型」です。

自分自身のタイプを知るためには本来であれば、80の質問に回答する必要がありますが、「著書:ドラゴン桜とFFS理論が教えてくれる あなたが伸びる学び型」内で簡易的に自分のタイプの知り方を紹介していたので、ここでも紹介します。


では、皆さんに質問です。

「あなたは、気になる本は同時に色々読むか、一冊を読み終わってから次の本を読むか、どちらのタイプですか?」

同時に色々読むと答えた方:【拡散性】です。

  • 読みたい本は次々に手をつける。言い換えると興味のなくなったものに関しては、途中でやめても気にならないタイプの方です。
  • このタイプは面白い!と思ったらすぐに動けるタイプです(体験型タイプ)
  • 体験型タイプは「面白そう!・やってみたい!」と思えることが重要で、やってみたいことを試していって、その体験から自分の仮説を検証していくことに喜びを感じますが、逆に自由に動けなければストレスを感じることもあります。

一冊読み終わってからと答えた方:【保全性】です。

  • 着実に一冊ずつこなしていけるが逆に読み切っていないと「不安」を感じることもある。(積み上げ型タイプ)
  • 積み上げ型は「ちゃんとやりたい」「失敗をしたくないという」思いが強い計画をしてきちんと準備をして物事に取り掛かることに喜びを感じるため、逆に何も指針がないことにストレスを感じることもあります。

このように、自分自身の特性を理解することで、どのような状況において「ストレスを感じるのか」また「やる気が出るのか」を把握することができ、自分の特性に合わせた環境や行動の選択を行えるようになります。

詳細は以下のサイトからご確認頂けます。
http://human-logic.jp/about/

3. FFS理論を活用した事例紹介

メンバー1人ひとりが当事者意識をもって、周りの成長も考えた、指示待ちではない自律自走型のチームを作りたい場合にはFFS理論が活用できます。


FFS理論を活用することで、組織内の社員それぞれの因子を知ることができ、どのような時に「ストレス」を感じるかが明確になることで、個人個人の自己理解度が深まります。また、自分だけでなく他人の因子も理解することで、適切なコミュニケーションを心がけることができ、お互いの強みを生かしたタスク分担も可能となります。

このように、具体的に「個人の自己認知向上」「他者の強みを引き出すスキル向上」の2点を向上させることが可能になります。

「個人の自己認知向上」に関しては、チーム内における自身の役割が明確になり、複雑な状況に柔軟に対応することが可能となります。

「他者の強みを引き出すスキル向上」に関しては、相手の強みや弱みを理解することで、自分だけではないチームメンバーを生かすようなコミュニケーションを促進することが可能となります。


上記の2点が明確になることで、「どのような状況において・誰が・どのように力を発揮すると個人・チームにとって最も良いか」が分かるようになり、個人、組織にとっての成長ともなり、具体的な行動にもつながりやすくなります。結果メンバー間のコミュニケーションも増え、当事者意識が芽生え、それぞれが自律的な行動をするようになります。

具体的にメタ認知能力を向上させるために、明日から実践できることをご紹介します。不確実な変化が起こるVUCA時代において、時短勤務者・派遣社員・パートなどの雇用形態を含め、様々な雇用や世代の社員が入り混ざっているため、マネジメントにさらなる複雑性が増しています。また、管理職1人あたりが担当するメンバー数が増えることにより、メンバー1人1人の状態に意識を向け、向き合う必要が生まれてきました。より多様化する組織に対応するためにFFS理論が活用出来ます。


ある企業の目的として「A社の管理部門の責任者は、多様な個人の特性に合わせたマネジメントが行いたい」というニーズがありました。

今回そのニーズを満たすために、まずは要因分析をFFS理論を用いて行います。そのニーズの背景として想定できる物としては、「個人の特性がわからない」「異なる特性同士のコミュニケーション方法がわからない」などが挙げられます。そこでFFS理論を用いた診断を社員に受けてもらうことで【個人の特性】そして、そのデータをもとに【適切なチーム作り・異なる特性に合わせたコミュニケーション方法】がわかるようになり、各社員の伴走者である管理職にとっても目的に沿った行動をしやすくなります。


4. まとめ

いかがでしたでしょうか?今後ますます変化していく社会に応じた柔軟な組織作りが求められようになります。今回紹介させていただいたFFS理論を活用することで、個人・組織を含めた【特性】をきちんと理解し、それぞれの特性に応じたコミュニケーションを取れるようになり、より柔軟で強いチーム作りを行うことが可能になることでしょう。皆様もぜひ一度、自分自身の【特性】をFFS理論を通して知ってみてはいかがでしょう?

もしチームで意見が対立した時の効果的なコミュニケーションに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。